Netcommons3(ネットコモンズ)で保育園、幼稚園用のイントラネット、グループウェア、会員制サイトを実験的に作ってみました。
緊急情報、掲示板、お知らせ、イベント告知、病気の情報、各クラスの掲示板など。外部の人に情報が漏れず、保育園と親や親戚とのコミュニケーション、親同士のコミュニケーションの場として使えればいいかなと感じています。今回はその作成理由についてです。
なぜNetcommons3で作ったのか
Netcommonsは知らない人も多いかもしれませんが、国立情報学研究所が作成した無料で配布しているオープンソースのネットワークシステムです。
簡単に言うと無料でイントラネットや、グループウェア、e-ラーニングシステム、会員制サイトが作れるシステムです。
ただし、無料配布していると言ってもサーバーやプログラミングに詳しくないとおそらく使いこなせませんし、たぶん起動までもいきません。
元々、このシステムは教育機関向けにかなり普及しており、教育期間でこのシステムを使っているところは非常に多く、教育機関やNPO、会社なども含め5000の機関に使われています。ある程度信頼感があります。
外部の非公開サイト、親や職員の人しか見れないサイトはこれで作ればいいじゃん。
実際の作ってようと思ったきっかけは私の体験からです
作成の理由
まず私の子供は保育園に通っているのですが、教育関係は本当にIT化が遅れに遅れています。まあ理由は色々あるのですが、それが現状です。
私の園では
園だよりが未だに紙
例えば園だよりがあるのですが、未だに紙で一人一人に配布していて、コピーするのも大変だろうし、コピー代もかかる、また一人一人の日記帳に挟んでいて配るのも大変だろうなと想像します。
日記も手書きです。
今はSNSのサービスがたくさんありますが、毎日の日記も手書きです。もちろんこれも意味はあろうとは思いますが、IT化もできます。
毎日の営業日報を紙で書くかデータとして書くかの問題に近いかもしれません。紙でもデータでも日記を書くことに意味はありません。
コミュニケーションとして活躍している、その内容が活かされていることに焦点を当てなければいけません。その点では現在手書きの日記は活躍しています
掲示板も紙で貼り付け。
保育園では日々の病気の情報やイベントの情報、園からのお知らせ、注意喚起等全て掲示板に紙で貼り付けられています。
これも正直ネットでいいかなと思います。お迎えにいけない場合もありますし、送迎は両親に依頼しているところも多いです。全員が全員見れる環境にはありませんし、よくあるのが言って見ても帰った時に内容を忘れてしまうことです。
IT化されていればこういう情報も家や通勤時間で見れるようになります。
保育園はデータのやり取りが結構ある
保育園に入って少しびっくりしたことが、以外に写真や動画などのデータのやり取りがあるということです。
例えば、運動会の写真や動画、学芸会の動画などです。これを現在ではいちいちDVDに焼き増しし、回覧しています。たまにDVD代で数百円などのお金で買い取る場合もあります。
これは、データをウェブ上に置くことで誰でもいつでもダウンロードできますし、DVD代もいりません、回覧も必要ありません。過去のものもダウンロードできます。
結構親同士も写真や動画のデータのやり取りがあります。でもこれもウェブ上にアップする仕組みがあればみんながほしいデータを共有できます。結構あるのです。今は嫁繋がりでLINE等のSNSでやり取りをしているようです
親同士の交流も結構ある
あと、結構親の交流が盛んで、よく親同士で飲み会があります。これは他の園では珍しいらしいのですが、よく交流会があります。
しかも掲示は園内で掲示しているため、行かないと分かりませんし、これも園で見た時は日時や場所などの内容を記憶したつもりが、帰ってきたらあれいつだっけ、どこだっけなんてのはよくあります。
写真撮ればいいじゃんって思うかもしれませんが、いつもスマホを携帯しているわけではないし、朝はみんな忙しくて1分1秒を争う時間帯、夕方は片付けやら先生とのコミュニケーションでやることいっぱいあるんです。忘れることがよくあるんです。
緊急連絡や病気の情報、運動会などのイベント情報など知りたい時に知る場所がない
例えば、台風で休園になったとき、あなたの園ではどうやって情報を得ていますか。
私の園では電話で確認するしかありません。
なぜなら公式ホームページはおそらく制作会社に依頼しているので緊急の情報をすぐに流せません。朝の6-8時に制作会社には連絡つきませんから当たり前です。
病気の情報もそうです。この病気が流行っているから気をつけてとか、どこかのクラスでインフルエンザが出たとかそう言った情報も全部紙か先生の人伝えです。こちらはホームページに載せるべき内容ではありません。
運動会の時もそうです。急遽雨で延期とか、やっぱり開催するとか、準備手伝ってくださいとか、何時からやりますとかそういう情報も全て、電話か紙、人伝えです。
別にこれらが悪いとは思わないんですけど、
- もっと便利なシステムたくさんあるのに
- IT化でもっと豊かなコミュニケーションができるのに
- もっと先生を楽にさせてあげたい
という思いがあるのです。
こういう問題を解決できないのかしかも激安で。
イントラネットは普及してるの??
イントラネット、会員制サイトは特殊な需要なので、外注するとめちゃくちゃ高いです。
おそらくこういう理由からあんまり進んでないと思うのですが、かといってSaasのサービスはカスタマイズ性がないのでそれぞれの園の需要にも答えにくいし、何よりSaasのサービスは絶対に有料なので、ある程度の費用は見込まないといけません。
オープンソースのNetcommonsがあるじゃねーか。
Netcommonsである程度パッケージ化すれば激安で導入して、最初は管理費や指導の費用がかかるかもしれませんが、使い方覚えさえすればあとは自立して管理費、更新費いらなくなるかもしれない。
そう思ったのです。
メリット
やるメリットとしては
- コミュニケーションがもっと豊かになる
- 先生の仕事が絶対に減る
と思ってます
システムのメリットとしては
- このシステムを使えば安く提供できるのではないか
- 誰でも使い方を覚えれば、IT素人でも使いこなせる
- セキュリティがかなり高い
- イントラネット、会員制システムに特化すればたぶん使いやすい
と考えたからです。
保育園と先生を尊敬
私は何より保育園の先生方を尊敬しています
めちゃくちゃ大変な仕事だと思います。
その大変な育児という仕事の上に膨大な紙ベースの仕事、親への配慮とコミュニケーション、イベントの開催など本来では保育と関係のない仕事が大量に乗っかっています
ちなみに海外では保育に関すること以外ほとんどしません。学校の先生は学校教育以外の仕事はほとんどしません。
日本では入学式から始まり、運動会、お遊戯会、文化祭、餅つき、クリスマスパーティ、部活、合唱、卒業式。しつけなども教えていますし、おそらくもっとあるでしょう。
日本の教育期間はサービス精神が旺盛すぎるのです。
親としては有難い限りですが、負担を負ってるのは全て、先生や職員の方々なのです。
それに加えて紙ベースの大量の仕事。
これだけ本来の仕事プラスアルファの大量の仕事をやっても親はお金を払っているから当たり前という意識の方も多いと聞きます。
親から何かクレーム来た日には私であれば怒り狂うかもしれません。本当に毎日嫌な顔をせず、笑顔で子供を見てくれて、親への配慮もすごい。頭が下がるばかりです。
保育士ではないですけど。。。
子育てでもそうですが、親の余裕があってこそ、子供のワガママを怒らずに受け入れることができます。IT化によって保育園や幼稚園にもっと余裕の時間を与えることはできるのではないか。そう考えています。
長くなりましたので、次回作ってみた編について書きます。